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株式会社田中俊行建築空間設計事務所は、用途・規模・構造を問わず、あらゆる建築作品を設計する事務所です。

コラム 2006年

1月13日

 新年早々、サーバーのトラブルでバタバタしており、年始のご挨拶ができずにおりました。本年も宜しくお願いいたします。
  今年は何だか良い年になりそうな気がします。体力的には厳しい一年となりそうですが、充実した年になるよう所員一同後悔しない毎日を送れればと思います。
 今年の5月で会社を設立して3年になります。この3年目の年に会社が飛躍できそうな事を嬉しく思うと共に、支えてくださった多くの方々に感謝申し上げます。
コラム写真03-01
*今年は、会社に置いてある万年青(オモト)の鉢植えに、きれいな実がなりました。


1月17日

 建築業界の景気が回復したのではと思うほどの仕事量です。御施主様には感謝せねばならないのですが、コラムを書くのを忘れる程です。月曜日更新ができない言い訳のようですが、現在25時になろうとしております。明日も大事な契約と確認申請の提出、新たな御施主様とお会いするのにこんな時間まで働いていて寝坊しないようにと思いながら、今日終わらせようと思った作図が終わらず、描き続けるかどうか迷っている田中でした。


1月25日

 昨年までは毎月のように終える業務があったので、「works」を賑わす事ができたのですが、今年は新築の仕事が多く、設計中・監理中の欄は増えるのですが業務終了に至るまでに時間がかかっております。規模は様々なのですが、現場が4件に設計中が7件と猫の手も借りたい程です。スタッフはまだ募集しておりますので、どなたか体力と耐力のある方いらっしゃいましたら御紹介願います。


1月30日

 ホテル経営者が謝罪するニュースを観ました。経営者の気持ちが分からなくもないのですが、やり方に問題があります。
 最近どの地域も建築基準法以外に条例等を付け加えるような行政となっておりますが、その条例と争う事も設計者としては大事だと感じています。条例は全ての土地形状を考えて作られている訳ではないので、全てを守ろうとすると何も建てられないケースが多々あります。実際に「J寺」ではお墓があるのに緑化しろと言われ、「H長屋」では土地が変形しているのに駐車場を数台設けるように言われ、「S信用金庫」では増築なのに既存建物にハートビル・緑化対応するよう言われました…等、各プロジェクトにおいて不都合な条例が多いのですが、隠れて設計変更するのではなく、正面から設計時に行政と勝負をするべきなのです。
 上記したプロジェクトは駐車台数・緑化面積を最小限に留め、ハートビル対応もせずに確認済証が交付されましたし、これにより条例の見直しもされました。このテクニックは、建築の事を想えば容易に身に付くモノです。但し…強靭な精神力と胃薬が必要ですが。


1月31日

 日曜日の夜に泥棒に入られました。金庫をこじ開けられ中にたまたま入れていた大金を盗まれました。ATMごと破壊される世の中ですから、明日は我が身と思わなければならなかったのですが、まさかこんな小さな会社に…という甘い考えがあり失敗しました。
 現金は銀行等の金融機関に預ける事をお薦めします。一生懸命働いて得たお金をこんな形で無くす事は非常に悔しいですが、会社の移転を考える良いきっかけになりました。


2月6日

 正月に油絵を描き始めたのですが、仕上げる事ができず中途半端な状態で机の後ろに飾られています。時々積み上げられた書類に埋もれてしまうのですが、見る度に「早く描きあげろ」と言われているような気がしております。
 今年の干支も兼ねて、かつての愛犬を描いており、私にとって表情等はなかなかの傑作なのですが、泥棒に見向きもされなかったこの絵はどうやら自己満足だったようです。GWくらいには完成させようと思います。


2月13日

 どうせ会社を移転させるのであれば、土地を買ってビルを建てようと思い土地を探しているのですが、なかなか良い物件にめぐり合うことができません。「そんなに焦ってもろくな買い物ができない」と気を落ち着かせながら、初めての施主体験を楽しんでおります。私の理想とする土地形状、前面道路、地盤、周辺環境と出会える日を首を長くして待っているところです。


2月20日

 現在着工しているプロジェクトなのですが、未だに役所と対決しています。タイムリミットがきたので確認申請上は役所に譲った形に変更したのですが、どうしても当初の形状に戻そうと悪戦苦闘しております。建築基準法関連の法律に記載のない事項、いわゆる「解釈の相違」でしかないのですが、それによって設計主旨を表現し難くなる事を嫌っての行動です。「デザイナーでないのにそこまで言ってくれるなよ」と思いながら…。


2月28日

 春日部共栄中学高等学校プールの図面納品日が近付いてきました。作図作業に集中したいと常々思っているのですが、電話・来客で仕事が中断される事が多く、結局夕方にならないと作図が始められない状況にイラダチを感じております。とは言え、今週からスタッフが増員されましたので彼等の耐力に期待したいところです。


3月6日

 ここ数年、春日部共栄中学高等学校の卒業式・入学式に出席させてもらっていますが、毎年生徒の成長に感動すると共に、学校のすばらしさに驚かされます。今年初めて卒業生を出す若い男性の先生は、生徒ひとり一人の名前を泣きながら呼んでいました。理事長先生をはじめ校長先生も、祝辞の前にその先生をフォローするコメントをされ、純粋な教育現場を垣間見る事ができました。
 コラムを読んでいただいている方の中で、春日部共栄に興味を持たれた方は、是非この学校を訪れてみてください。中学校舎を含め私の一押しの学校です。


3月13日

 伊勢原の現場が大詰めになりました。3月末の竣工なのですが、見ているだけでも“かわいそう”に思う程バタバタしております。28日の竣工検査まで休日もなく働かなければならないかもしれませんが、何とか私からの指摘事項が無い事を祈ります。


3月22日

 「白岡開発プロジェクト」のプレゼンをしてきました。出席した方々が好感をもってくださり安心しました。なるべく早く実現したいと願うのですが、2万㎡を超える敷地の開発なので、首を長くして吉報を待つしかありません。今思うと私が黒川事務所にいた頃はこのような仕事が多く、レポートの作成方法等多くのことを学んだな…と今になって感じます。
 今更ではありますが、黒川先生他上司だった方々に感謝申し上げます。


3月27日

 会社の決算期を迎えました。3月末で第3期が終了となり4月から第4期となります。会社が3年間黒字で成長を遂げられたことを嬉しく思うと共に、起業した頃の苦しい時期を懐かしく思います。
 来期は、会社が更なる大きな目標に向かって成長ができるか否か、勝負の年と感じております。先日所員と一杯飲みながら「来期も皆で力を合わせて立派な会社になるよう努力しよう!」と誓い合いました。目標を高く設定し過ぎたかもしれませんが、彼等の目をみていると、達成できない目標ではないな…と強く感じました。


4月3日

 新年度を迎えました。今日から新入社員も加入し、田中設計は私を入れて9人体制となりました。何とかこの所員数で今年度を乗り切ろうと考えており、このコラムを書く労力も皆に分担しようと思います。皆が一生懸命働いている様子が伝えられれば…と思います。
 あと1カ月半で会社の3歳の誕生日です。それまでに新体制が整う事を期待します。


4月13日(河本)

 現在2件の現場を担当しているのですが、両方とも動き出したので、机の周りをメモやカタログが占領する割合が多くなってきました。彼らの侵攻をくい止めて、円滑に現場を進め、竣工したときには「田中設計の作品」を存分に楽しみたいと思います。


4月18日(徳長)

 事務所で勉強会がありました。今回の内容は、図面の描き方や法規の話でした。私は長年図面を描く仕事をしていますが、これを機会にきちんと整理して描かねば…と少々反省しながら聴いていました。そういう意味でも、こういう勉強会は続けていければと思います。


4月25日(若松)

 一日が過ぎるのはとても早いのに、たった数ヶ月前の初出勤の日がはるか遠い日のように感じてならない若松です。まだまだ「自分の実力」や「経験不足さ加減」に悔しい思いをすることも多いのですが、「こんちくしょー」とがむしゃらに仕事をこなすうちに、いつの間にか一人前になれていたらいいなと思い、日々精進しております。
 仲間であり、ライバルでもある同期入社の人たちは、このコラムを書いている間にも着々と仕事をこなしているわけで、僕もそろそろ作業に戻っておこうかな…と思う雨上がりの六本木です。


5月2日(田中

 4月から企画部に入社した田中教貴(のりたか)です。
 現在、会社パンフレットを考案中なのですが、何とか田中設計らしく「スマートでデザイン性があり、他社に負けないインパクト」を目指して、良いものを作りたいと思っています。それと今、痛感しているのは、「日本語が難しい!」ということです。様々な文章の作成も担当しているのですが、「伝える文章を書く」のは大変で、恥ずかしながら奮闘している次第であります。
 まだまだ始まったばかりなので、ねをあげずに頑張ります。


5月8日

 赤ではなく黒いGWも終わってしまいましたが、期間中は電話もほとんどなく有意義に作図作業に専念できました。また、一日だけ油絵の描写に費やしたのですが、寒い頃とは違い乾きが早く、こちらも能率良くヘタクソな絵を仕上げることができました。継続的に油絵を描きたいと思いますし、次は陶芸にも挑戦したいと考えております。と思いながらそろそろ石を彫らねばならない事を忘れていました。


5月17日(徳長)

 昨日は会社設立3周年の日でした。夜のお祝いの会に駆けつけてくださった皆様、本当にありがとうございました。お酒を飲みながら普段できないような話もでき、とても楽しい時間でした。そして、改めて多くの人達に支えられている会社だと思い、感謝感謝です。
 思い起こせば3年の間には成功も失敗もたくさんありましたが、良い事務所にするための試行錯誤の期間であったように思います。4年目の今日からまた、所長を始めスタッフ皆と共に更に飛躍できればと思います。これからも何卒よろしくお願いいたします。


5月22日(河本)

 『一日24時間では短い。』
 度々耳にする言葉ですが、実感したのは初めてでした。お昼前までパソコンをいじり、外に出て帰ってくる頃には、日はほとんど沈んでいる…こんなパターンがよくあります。一日で出来ることは意外と少ないということを知りました。
 「限られた時間の中で正しい時間の使い方を身につける」目標がひとつ増えました。


5月29日(若松)

「建築は絶対に裏切らない」とはうちの所長の言葉です。
 その言葉の意味を詳しくつっこんではいないのですが、「つくり手である僕達が建物に対して真摯に取り組んだ分だけ、その建物は必ずよいものになる」と僕は理解しています。それは逆に、僕達も建物に対して裏切る様な仕事をしてはいけないということです。一つの建物を作り上げる中で、お施主さんは勿論、構造や設備設計、施工業者の方や実際に部材を組上げる職人さんまで沢山の人が携わる事を知り、尚更図面上の1本1本の線の重みを痛感します。


6月5日(田中

 今日からスーツを夏物に替えて、お付き合いのあるところへご挨拶に伺いました。まだ立ち上がったばかりの企画部にも関わらず、皆様親切丁寧に応対してくださり感激してしまいました。これを励みに、これからやってくるであろう蒸し暑さに負けず歩き回ろうと思いました。


6月12日

 季節の変わり目には毎年恒例の首痛に悩まされておりますが、今年も例外なくそれはやってきました。気力との戦いとなるのですが、年々シンドさが増してきております。
 さて陶芸や油絵という趣味も定着してきており、私なりに休日を楽しめる環境を嬉しく思います。まだ始めたばかりなので作品は共に少ないのですが、これらを飾れるように技術の向上を目指すと同時に飾る場所を探さねばなりません。
 それから、現在自社ビルを建てようと土地を探しているのですが、プランニングをしていている間に、案内された土地の値段が1.5倍に膨れ上がり、大きな買い物の決断を焦らされることに戸惑いを感じております。土地転がしをしているお金持ちの方に「私の買おうとしている土地だけは唾を付けないでいただけないでしょうか」と訴えたいのですが…土地は難しいですね。


6月19日(徳長)

 コンペにいくつか参加しています。参加するコンペによって提出資料は違いますが、CGパースやアニメーションなどが当たり前の世の中になり、年々見せ方の技術も向上しています。
 先日、某設計事務所の講演会を聴きに行きましたが、コンペのプレゼンのために作成するアニメーションが、なかなか大変で負担だというお話でした。図面を見せるよりもわかり易く、見せ方のセンスによっては結果が左右されることもあります。設計事務所としても勉強が欠かせません。


6月27日(河本)

 W杯一色の今日この頃ですが、仕事に追われるあまりW杯が始まっているという実感がありません。試合を見ていても、本当にW杯なのか?と疑うほどです。結局、日本は予選リーグ敗退が決まり溜息も出ません。
 4年後にはサッカーそのものに興味をなくしていないようにするためにも、できるだけ自分の好きなものは大事にしようと決めました。


7月3日(若松)

 普段の所長との会話は、自分の担当するプロジェクトについての確認に終始してしまいますが、そんな中でもたまにゆっくり話す機会があると、僕は就活中の面接で初めて所長と話した時を思い出します。いつまでも学生気分ではいかんと思いますが、所長が建築や野望めいたものについて語るのを聞くのは、結構好きだったりします。たまにそういう話を聞くと、気が引き締まります。毎日聞かされるのではなくて、たまに、というのがミソなんだと思います。


7月10日(田中

 営業活動を試行錯誤する中で、ある方から「営業とは、人と人をつなぐ仕事である」というお言葉をいただきました。恥ずかしながら、まだあまり実感することはできておりませんが、最近、人の輪が拡がっていくのを微かに感じられるようになってきています。それを楽しみつつ積極的に活動できるようになって初めて「一人前になる準備が整う」のだと思いますが、私はまだまだ駆け出しなので、人の輪の小さな拡がりに喜びを感じ、感謝の気持ちを忘れることなく少しずつ成長することで会社と社会に貢献できれば…と夢抱いています。暑さと緊張で手に汗かきまくっておりますが、輪を拡げるべく手をつないでくれる方、募集しています!


7月18日

 先週34回目の誕生日をむかえました。
 今年は仕事に追われ自分の誕生日を忘れるほどでしたが、人生70までであれば折り返し地点であるし、60であればそろそろロングスパートの地点です。あと何年間、生きるか分かりませんが、今は何の為に生きているのかを考えながら私のできる精一杯の努力をしようと思います。


7月25日(徳長)

 事務所で過去のデータの整理を担当しています。所長が学生時代に作成した図面から最近の物件の図面に至るまで、いわゆる「所長の歴史」をCD-Rに取り込んでまとめているのですが、唯一整理できずにいるデータがあります。所長が大昔のMacで作成した研究論文のデータです。
 私達の事務所にはWindowsしかないので、先日もデータ移行を請け負ってくださる店に持って行きましたが、データが古過ぎるらしく結局移行することができませんでした。
 「所長の原点」とも言えるこのデータ、このままになってしまうのでしょうか…なんとかしたいものですが。


7月31日(河本)

 天気の良い土曜日に単車で出社することがあります。平日満員電車に揺られて溜めたストレスを発散させるのに最適です。信号待ちなど渋滞している車の間をすり抜けて、文字通り先頭に躍り出たときのストレス発散量は「560イライラ」を記録するほどです。逆に渋滞で身動きとれなくなったときは「230イライラ」溜まってしまうのですが…。
 梅雨も明けたことだし単車での出社回数を増やしたいと思うのですが、楽しすぎて運転が荒っぽくなるのが心配のタネです。“事故を起こさず、誰にも迷惑掛けない程度の荒っぽさ”で運転するようにします。


8月7日(若松)

 僕の担当させてもらっている物件も、いよいよ工事が始まりました。設計者として、また監理者としてやらなくてはいけないことは沢山あるわけで、正直な所パニックに陥りそうになる時があります。そんな時僕は、物事を出来るだけシンプルに考えることにしています。これが誰の建物で、何の為に力を尽くさなければいけないか…そう考えればいつでも答えははっきりしているわけで、「しんどがってるヒマがあるならもっと頑張らな」となります。
 暑いのは苦手ですが、夏はものごとがシンプルな感じがして結構好きです。


8月21日(田中

 「建築家の家本 55人の建築家ガイド関東編」という書籍に弊社設計の住宅が掲載されることになり、先日その出版記念パーティーに行ってきました。そのような場面は初めてだったので不安と緊張でいっぱいだったのですが、色んな方のお話を伺うことができ、貴重な体験ができたことを嬉しく思っています。この本がより多くの人に見てもらえるように、暑さでゆるんだ心と体を引き締め、宣伝して歩こうと思います。


8月29日

 先週の土曜日にNT邸の事務所検査がありました。
 自分で設計しておいて言うのも何ですが(ダメ工事もまだ残っていますが)、設計主旨を表現できた作品となりつつある事を嬉しく思いました。「春日部共栄中学高等学校中学棟」の水鉢に続き、私が泥とホコリにまみれ石庭の石を彫った意味は、必ず所員に伝わったと信じたいと思います。明日の社内勉強会で「田中が石を彫る意味」という課題を発表する若松君はきっと素晴しい発表をしてくれることでしょう。皆様にお伝えできないのが残念ですが、このコメントが彼には心地良いプレッシャーになるはずです。


9月6日(徳長)

 先日プロポーザルの下見をしに横浜まで行きました。2段階に分けて審査があるのですが、1次審査ではまず、A3サイズ1枚にイメージや考えを表現しなくてはなりません。多くの図面や写真で表現するよりもポイントをしぼり表現することはかえって難しく、毎日作戦会議をしています。
 集められた沢山の「ネタ」が、練られて削られて、最良の形で勝負に臨めれば…と思っています。


9月11日(河本)

 先週末に竣工した住宅の引渡しを終えたばかりですが、その喜びに浸る間も無く今月はあと2現場の竣工が迫っています。だいぶ慌ただしくなってきて変更せざるを得ないことも出てきますが、それに応えてくれる現場の方々にはとても感謝しています。ただその気持ちから遠慮してしまって、こちらの主張が言いづらくなることも感じてきているので、この繊細な神経をもう少し図太くしていきたいと思います。


9月19日(若松)

 このコラムを書かせてもらうのは、5週に1度。毎日せわしないですが、確実に季節や仕事の状況や心持ちは変わってきております。
 全部がうまくいっているとは恐れ多くてとても言えませんが、今は最中なのであまり振り返らずに頑張っています。今日は暑かったりしますが、最近は大分秋らしくなってきました。ある大勝負を控えた所員の健闘を祈らずにはいられない今日この頃です。


9月25日(田中

 今朝は事務所の中を爽やかな風が通り抜けていました。ようやく秋の気配が近づき、暑さと汗から解放される季節がやってきたようです。今週と来週で2つの作品が竣工を迎えることもあり、新しい季節に希望を膨らませています。個人的には「食欲の秋」を存分に楽しみたいと思っていますが、企画部としては「実りの秋」にあやかって、現在考案中の企画が実を結び、さらに多くの人との輪が拡がることを願っています。


10月2日

 9月に3作品の竣工を終え、それぞれの竣工前に内覧会を催しましたが、多くの方々の御高覧ありがとうございました。竣工写真を撮って頂いている写真家の方も、3連続の忙しい状況下での撮影に苦労された事を申し訳なく思うのと同時に、あの作品達をどれ程上手く撮影していただけるのか期待も膨らみます。
 竣工時には大抵感激し、その余韻を楽しむ為に一休みしたい気持ちもあるのですが、まだまだ耐力で負ける訳にはいきません。今日から初心に戻り、作品を創り続けられる喜びと感謝の気持ちを胸に精進していきたいと思います。でも、夢の中でまで打合せをしたがる現場の所長さんも如何なものかと思います。たまには仕事以外の夢を見たいモノです。


10月12日(徳長)

 先日、手描きの図面のトレース作業をしました。時代が変わり、このようなトレース作業は昔の建物の改修時くらいしかありません。久しぶりに見る手描きの図面に感心しながら、細かい部分をスケールで計り、チクチクとCAD化していくのが結構楽しく、いつもの3倍くらいのスピードで仕事をしていました。懐かしい気分です。


10月17日(河本)

 設計中のプロジェクトの中に、かなりエキサイティングなものがあります。
 常に新しいことにチャレンジしている事務所ですが、今回は他に類を見ないことなので参考にするものが少なく、気がつけばパソコンから目を離してあれこれ考えています。どうやら頭が固まりつつあるようなので、この機会に所長の言う『頭を柔らかくする』ということを意識してみようと思います。


10月23日(若松)

 今、事務所はバタバタしております。毎年秋から春先まで忙しくなるという話を聞きました。普段はだらけてる、という意味では決してないのですが、本気になったときの所長と徳長さんは流石にすごみがあります。以前の事務所で働いていた頃も、日々今日のような鋭い目つき(いい意味で)だったんでしょうか。僕もいつまでもへこんでる場合じゃないと思っています。
 余談ですが最近V社からS社になったケータイでは、弊社ホームページが見られる事に気付き少し感動しました。内容は変わりませんが、皆さんにも小さい画面で、所構わずホームページを覗いてもらえると嬉しいです。


10月31日

 最近は建築だけに留まらず、色々とオモシロイ事を考えております。
 今週の土曜日は土にまみれ、日曜日は石にまみれます。土や石という自然との制作活動はストレスもなく、非常に有意義に感じます。
 建築に付随する陶器や仕上げ材等メーカーの既製品と言われるモノは、「作り易い」や「使い易い」という概念だけではなく、建築と同調して欲しいと願っておりました。来週末にその願いの象徴となる作品の試作品検査で名古屋へ出張します。ここまで御協力いただいた関係者の方々には私の願いとワガママに同調しお付合いして頂きまして、非常に感謝しております。皆のこの気持ちが今窯の中にいる陶器に伝わればと思います。
 また、その他にも家具の製品化や新たなマンションの提案に快く耳を傾けてくださっている方々にもこの場を借りてお礼を申し上げます。更に色々と頭の中では計画しているのですが、身体が二つある訳ではないので、徐々にということで…。


11月7日(徳長)

 先日「東京デザイナーズウィーク」に行きました。面白いアイデアや洗練されたデザインを見ていると飽きることがありません。「みんな本当にいろいろな事を考えているんだなあ…」と思い、何度も会場を見てまわりました。
 パンフレットや名刺をいただき、早速問合せをしているものもありますが、これからもできる限り多くの面白い商品やアイデアに出会いたいと思った1日でした。


11月14日(河本)

 少し前になりますが、春日部共栄の中学棟を見学する機会がありました。写真では毎日見ているのですが、やはり本物は迫力があり、いろいろな面でとてもきれいな建築だという印象を受けました。興味のある方はぜひ一度ご覧ください。
 因みにこのときは設計者(所長)に案内してもらい、なんとも贅沢な見学会となってしまいました。


11月20日(若松)

 いつの間にすっかり冬らしくなってきました。いくつか動いている現場の1つがいよいよ佳境に入りつつあります。御施主様、設計者、施工者、職人と沢山の人が力を合せて建物は建てられます。沢山の人がいるからこそ上手くいかないことが起きたりしますが、人がいるからこそ何とかいいものを創ろうと、僕らが頑張れる糧となります。
 そんな当たり前のことを確かめつつ、一向に池にならない石の鉢植えに水をやる日々です。


11月27日

 先日、私の現場を担当していた方が亡くなりました。ちょうど現場が終わったばかりで、悲しい知らせでした。仕事ではいろいろとうるさく言いましたが、今となってはそれも懐かしい思い出です。39歳という若さで、まだまだこれからだというのに残念でなりません。この場をかりてお悔やみ申し上げます。
 話は変わりますが、現在の企画で「知的障害者をサポートする家」があります。限定した地域に対しての企画なのですが、かなりの反響で驚いております。と同時にハートビル法ではまったく彼らをフォローできていない現状を気の毒に感じます。ボランティア活動的な企画ですが、何とか全ての人々に平等な建築を創りたいと考え、いい勉強になっております。また、この件に関しても多くのメーカーさんに御協力頂いておりまして、感謝しております。


12月6日(徳長)

 早いもので、私が今年の間にコラムを担当するのは今回が最後です。出会いの多い1年でもあり、多くの事に挑戦した1年でもあり…と、この年をゆっくり振り返りたいところですが、年末に向けてまだまだ忙しい毎日が続きそうです。
 今週末からは、所長が他の設計事務所の方達3人と展覧会をしますが、どのような作品を持ってこられるのか楽しみです。お近くに来られる方はのぞいてみてください。


12月12日(河本)

 今年も残りあとわずかですが、相変わらず事務所内はバタバタしています。
 机の周りは今までに無いほど雑然としていて、明らかに自分のスペース外まで散らかしています。どこに何があるかは把握しているので変に片付けたくないのですが、大掃除までには片付けなければなりません。
 ………と、ここまで書いて、整理上手になるという目標を掲げて今年のコラムを締めくくろうと思ったのですが、過去に書いた目標すらも実行できているか定かではないので整理上手は後回しです。


12月20日(若松)

 あっという間に今年最後の僕担当のコラムになりました。そのコラムの更新も遅れてしまうぐらい、業務は忙しくなっています。正直な所、気の利いた文を考える余裕もなかったりするので、シンプルに2006年最後の御挨拶をしたいと思います。
 今年お世話になった御施主様、工事関係者の方、メーカーの方、家族、友人、所員の皆様本当にありがとうございました。まだまだ若僧ですが、来年もどうぞ宜しくお願いします。


12月26日

 今年も残すところあと僅かとなりました。今年は飛躍の年にしたいと年頭でお伝えしましたが「3歩進んで2歩下がる」の繰り返しだったように感じます。本当に良くも悪くも色々な経験をした1年でした。勿論、そのような経験が今後に生かされると感じ、着実にステップアップしている事を嬉しく思います。
  プロジェクト数は前年に比べ飛躍的に増え、それに対応できるだけの事務所になりましたことも嬉しく思います。私をはじめスタッフ一同、まだ努力の足りない面を感じますが、個々がそれを素直に受け留め、来年の目標となればと思います。
 個人的には今年一年、建築家協会等で他の方の作品を多く拝見させていただきました。彼等とのプロセスや創意等の違いを感じ、戸惑いを覚えることもありましたが、私は私のやり方で自分の作品を作り続けていこうと改めて感じさせられた一年でした。


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