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株式会社田中俊行建築空間設計事務所は、用途・規模・構造を問わず、あらゆる建築作品を設計する事務所です。

第8回渡航2010年3月20日(土)~25日(木)

第1日目

9時
自宅前でタクシーを拾い、竹芝桟橋へ向かう。

9時集合であるのに完全な遅刻。
前日は24時までまったく出張の用意ができず、朝起きてからの準備だったのでこのザマである。

タクシーの運転手はベテランドライバーで私の様子を察知して、あっという間に竹芝桟橋前。


9時10分
竹芝桟橋着。

今回はツアー客が多そうで、賑やかである。


9時30分
見送りに来た仕事相手の社長としばし談笑した後、船に乗り込む。


10時
出航遅延のアナウンス。

おそらく誰か私よりも遅刻した模様。
父島写真08-01

父島写真08-02

父島写真08-03


10時10分
出航と共に携帯電話の充電器を忘れた事に気付く。
このまま携帯がつながらなくなるのは理想的であるが、スタッフの事を考えると笑ってもいられなくなる。

それにしても天気がよく、このまま揺れずに父島へ到着してもらいたいものだ。


10時30分
同部屋の方と挨拶。

プロレスラーのM藤にそっくりな風貌で、体格もゴツイ。


11時
朝飯も食べなかったので、カップラーメンでも食すかとお湯を注ぎに行く。

乗船していた仕事仲間からのお誘いを断れずに、カップラーメン片手に宴に参加。


14時
宴一時終了。

これから揺れてくることが予想されるので横になる準備。
慣れてくるとこのタイミングも分かるようになる。

19時に再開と部屋に戻る。


19時
宴再開。


24時30分
宴終了。
あっという間であった。


第2日目

7時
起床。

ベッドの中では起きていたが、隣の“プロレスラー”がゴソゴソしていたので、ベッドの中で待機していた。

シビレを切らしてカーテンを開けると、「おはようございます」と“プロレスラー”。
わざと私を起こすかのようにゴソゴソして、私が起きるのを待っていたかのよう。

ここから彼の話が1時間。
小笠原への熱い気持ちを語るには短いのかもしれないが、最初私には寝起きの念仏であった。

しかし過去に観たテレビで、水族館のイルカが病気になったが、見事泳げるようになったという番組があり、どうやらその関係者ということだった。

あっという間の宴の時間が、もったいなかった気もした。
彼ともう少し早く仲良くなっている方が、私にとっては良かったかもしれない。

一応、宿や島での行動は聞いた。
私とは泊まるところも行動も真逆であって、聞くとうらやましい話ばかりなので、適当なところで、カバンをガサガサして話を止めた。


10時
甲板へ。

ツアー客が多すぎて、ガッカリ。
天気が良く、水平線が360度。
濃紺の海と水色の空の接線が美しい。

海を前に「水色の空」とは変な表現だと独り笑う。

騒ぐオバサマを横目に部屋へ戻る。
私が入室するのと同時に“プロレスラー”が外へ出た。


10時30分
シャワーを浴びて、身支度を整える。
最初に船に乗った時は、シャワーを使う馬鹿はいないだろうと思っていたが、“ご愛用者”となってしまった。

揺れながらのシャワーは見られたザマではない。
観光客が多いからか、洗面やトイレの使い方が汚い。


10時40分
船内アナウンス。

母島の宿は全て満室だから、宿の予約をしていない人間は母島へ行けないとのこと。

私が観光客ならこのアナウンスを聞いた後、母島へ行くであろうヒネクレタ性格だ。


11時
甲板へ出る。

風が強く、日差しも強い。
いよいよやってきましたという感。
父島写真08-04

父島写真08-05

父島写真08-06


11時30分
到着。

この時期異動があるので、家族連れのネクタイマンが数人いた。
小さな子供をここで育てるのは良いことであろうが、リゾート気分でいると台風にやられるぞ…と。


11時50分
遠くにハンプティダンプティのお母さんが見えた。
あとで挨拶すればよいと今回も別の宿を予約したので、急いで向かう。


12時
チェックイン。

実はカメ店長のお父さんの宿。
新築でワンルーム、ビジネスホテルのようなもの。


12時05分
扉をノックされ、紙切れを渡される。
手書きのあの店の割引チケット。

「何時も行ってますし、店長とも顔見知りです」と笑顔で会話。


12時10分
昼飯を食べにラーメン屋へ。

今日は14時からの検査なので少々余裕がある。
味噌タンメンを頼み席に着くと、周囲が知り合いばかりで、挨拶を交わす。


12時30分
さっさと食べ終わり外に出て、スーパー等で携帯の充電器を探す。

数件探すもどこにもなく、最後の手段をあの店でお願いするしかないと思う。
父島写真08-07


13時
宿に戻り、仕事の準備。


13時30分
少し早い気もするが現場へ出発。


14時
現場着。


16時30分
仕事終了。

また明日。


16時40分
もう一つの現場へ向かうついでに、前回泊まった宿へ。
驚かれたがやはり覚えていてくれた。

明日の打ち合わせによっては少し観光ができるかと思い相談。
やはり観光客が多いので、いきなりの観光は無理…と。


17時
宿に戻り夜の準備。


18時
あの店へ。

入店すると相変わらずの黄色い声。
客のいない店内でしばし談笑の後、カメ店長が「泊ってくれてるんだって」と奥から登場。

明日の観光の話をすると、いつもカウンターで飲んでいた米国人なら相談にのってくれるだろうと聞く。
急いで電話をすると即OK。

ダテニ飲んでいないなとニヤリ。
気付くと満員で、誘われるままにテーブル席へ移動。


22時
気付くとこんな時間で、住宅のお施主さんをカウンターで待たせてしまった。


24時
就寝。


第3日目

7時
起床。

下の店で朝食をとる。


8時
メールチェックなどをおそるおそる。

万が一、観光ができない連絡事項があった場合、無視するか否かを迷いながら、平凡なメールに安堵する。


8時30分
クルーザーに乗るのに相応しい服がなく困ったが、もう悩んでも仕方がないと何時もの格好で外出。


8時50分
途中弁当を購入し、船着場に集合。

やはり私は浮いているようだ。


9時
出航。

実は船に乗ってすぐに携帯がなったが、無視を続けてしまった。
この電話が仕事上なので記載はしないが、後々問題となった。

しかし、私にはこの電話に出る選択肢はまるでなかった。
波が高く、小さな船であるからかなり揺れた。
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小さい子はハシャギ、オバサマも負けずにハシャイダ。
ウエットスーツを着た若者は、イルカと戯れ、カップルはイチャイチャ。


10時
その結果はご承知のとおり、半数以上がゲロゲロと海へ魚の餌を散布した。

見ているだけで気持ち悪くなる。
老若男女のゲロゲロ大合唱。
指揮棒でも振ってやろうか…。

実は巨大なクジラの群れをすぐそこで見ることができたのだが、目で追うのがやっと…。

船長のアナウンスは「こんな近くでこんな大きなクジラは見られないよ!」
と興奮していたが、あのクジラを目にできたのは私を含めて数名であろう。


11時30分
南島へ上陸予定が、高波の為断念。
父島写真08-08


せっかく船から降りられると思ったのだが、まだ揺れ揺れのゲロゲロは続く。


12時
兄島へ向かう。
ここは父島と兄島に挟まれたところで、波はほとんどない。

砂浜に到着し、下船。
午後の部に参加できないゲロゲロは退散のため、そのまま船で港まで。
子連れとオバサマはここでさようなら。

船が一時いなくなり、午後の部に参加する者は島に残された。

サバイバルゲームのようだ。
制した者は、老夫婦が一組・同年代の男女・50代の男性が2人・傷心旅行の女の子が一1人・ゲロゲロの学生が懲りずに4人、それと私だけだ。
12人しかいない昼飯は、不思議な気分であった。
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12時40分
船が迎えにきた。

ゲロゲロの学生が今から泳ぎたいから少し待ってくれと。
この学生は男1人と女3人なのだが、まぁ~男が優しい。

私にはできない、考えられないホストブリに目をソラス。
加えてこのワガママに周囲も沈黙。

いつか若気の至りを知れよと、周囲は流石大人だ。


13時
乗船。
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ここから信じられない午後が始まる。

まずは船長がウミヘビに餌付けをする。
その籠を上げると、ウミヘビさんがグチャット登場。
触ってしまったら、皆からの冷たい視線。
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海底は丸見え、サンゴでカクレンボをする魚たち。
不思議と波は穏やかになり、船長が島々を紹介する。
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皆が船長の話に飽きる頃、私はこの地層を満喫していた。
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船長はクジラを探しに行くとスピードを上げる。
クジラの姿はまったくなく10分が過ぎた。
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「正面にクジラがいる」と船長。
私を含めた数名は船首へと移動。

ここから息を飲む時が続く。

大きなクジラの群れの中に子供が1頭。
皆が子供をサポートするように泳ぐも、子供は元気よく先頭を泳ぐ。
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大きなクジラが目の前で浮上し、潮吹き。
その潮はイタズラに我々にかかる。
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船長も驚くほど、何度も何度も間近でクジラが遊んでくれた。
クジラと会話をしたような錯覚さえ感じた。
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少しクジラが遠くに見えるようになってしまった頃、イルカの群れがやってきた。
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イルカから近寄ってくるものとは驚いた。
午前中イルカを見た時は、学生さんがイルカと泳ごうとするのに逃げていた。

今度はイルカが私の目の前までやってきて、ぐるりとゆっくり回転して腹を見せ口をパクパク話しかけるよう。

まるで猫がジャレテくるように、船上の我々に接してきた。
幻想的な時間を過ごせた。
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そんなイルカが知らぬ間にいなくなり、この船の楽しい一日は終わりを告げる。


16時
仕事開始、打ち合わせ場所へ。


19時
仕事終了。


19時30分
飲み屋でつまらん時間を過ごしてしまった。

いろいろ話した気はするが、昼間の事ばかり思い出していた。


24時
就寝。


第4日目

6時30分
起床。

朝から仕事仕事でかなりタイトな一日であった。
ヨソミをしている余裕もなく、一日が終わった。
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24時
就寝。


第5日目

6時30分
起床。
バルコニーに何時もの鳥がとまり、奇麗な歌声で私を起こしてくれた。
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8時から打ち合わせが入っており、今日は最終日なので集中して仕事をせねばならない。
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12時
まだ仕事が終わらない。

昼飯はお施主さんのやっている店でカレーを食べた。


13時30分
ようやく仕事が終わって、船に飛び乗る。


14時
出航。

今回は異動の方が多くかなりの人数で、見送り船もかなりの人を乗せている。
高校の応援団が、船から異動する先生らの名を叫びエールを贈る。
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少々感動的な場面を見ることができたのに、隣のオバサマが何を勘違いしてか、「もうエエカら帰りぃ~」と大声。

頭ヒッパタイテやろうかと。


15時
一件仕事があり、席に着きやり取り。


16時
仕事が終わり、一旦外に出るとイルカがピョンピョンはねていた。

驚いた、イルカの大群。
船に並行して泳いでいた。

こんな感動的な船も初めてであった。
「もう帰るのか~また来いよ!」と言われたようで。


16時30分
酒を飲み続け、気付くと24時を過ぎていた。

ロビーでは、学生が地べたに座り合コン状態。


24時30分
就寝。


第6日目

9時
遅めの起床。

疲労からダラダラと時を過ごした。
一時揺れを感じたが、比較的楽な渡航であった。


15時30分
竹芝桟橋着。
冷たい雨の中、会社へと向かった。


次回の渡航は7月だと思っていたが、5月になるかもしれない。


バナースペース

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